おわぁ、寝てるだけです 本館探さないでくなさい/ブログ主 鈴木薫の他に間借人の文章「tatarskiyの部屋」シリーズも掲載しています

by kaoruSZ

共通するのはお尻

 水曜日、今年最後の歯医者行きの帰りに別宅に寄り、来る日曜日のクリスマス兼忘年会のため、ニシンの酢漬けの作り方のスクラップを探したが見つからず、代りに『マンガ批評大系第I巻』(平凡社1989)が出てくる。四方田犬彦の「手塚治虫における聖痕の研究」、ここに入っていた(その前に『クリティック』に収められていたし、さらにその前に初出の『ユリイカ』で読んでいるが)。そもそも『アトム大使』の、地球人にそっくりな(一人ひとりがそのカウンターパートを持つ)宇宙人と地球人とのわずかな差異こそが耳の大きさ(ウサギの化け物を介してアトムのツノへと続く)なのだった。「亜人間」という言葉〔前回の註を参照〕ここにはなかった。

 この集では、伊谷知治「ある「鉄腕アトム」試論 ロボットの美学について」と中島梓「ヘルマプロディトスの夢」という、どちらもアトムの両性具有性を扱った論文が印象に残っていて、特に前者は短いものだがとてもよかったのだ。COMに投稿で載った論考だそうで、巻末の著者紹介のページでは、伊谷氏とは連絡が取れなかったと本人及び関係者からの連絡を求めていた。今、思いついてその名で検索すると、この本の他にもう1件ヒットした――。


038「少年西遊記」 : 伊谷知治 : 08月27日23時26分

昔、雑誌で読んだときに三蔵や猪八戒がとらえられて縛られ、
お尻を出して焼き印を捺されそうになるシーンがあったが、単行
本になったときには直されていた。今回はそのシーンがあるの
かな?あれは子供心に強烈だった。



 それは強烈ですね。手塚治虫かと思ったらそうではなくて、杉浦茂の「少年西遊記」、BSマンガ夜話で放送(2003年8月27日)されるに先立っての投稿なのだった。伊谷さんご本人なんでしょうか?

 手塚の「西遊記」では、縛られた三蔵法師の裸のお尻の上に刀が振り上げられる場面で目覚めたと、中山千夏と朝吹亮二がそれぞれ証言している(「西遊記」自体、やっぱり何かあるな)。私自身、小学一年生のとき、放課後の誰もいなくなった教室で、なぜか机の中から出てきた「少年」で見た、アトムが海中で戦って身体を溶かされかけ、「お尻から海水が入ってくる!」と叫んで気を失う場面が強烈(というか決定的)でした。
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by KAORUsz | 2005-12-23 07:44 | 日々 | Comments(5)
Commented at 2005-12-29 06:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 伊谷知治 at 2016-01-03 06:13 x
偶然にたどり着いた貴サイトでワタシ好みの美術や映画等のエッセイを興味深く拝読していたら、大昔に私が本名で書いた文章についてコメントくださっているのを拝見しておどろきました。「ある「鉄腕アトム」試論 ロボットの美学について」(今読むとなんと恥ずかしいタイトルだろう・・・笑)はまだ学生時代に書いたもの。「少年西遊記」はBSマンガ夜話に投稿したものでした。ご指摘の通り「おしり」がキーワードになっているのがご慧眼。当時は気づきませんでしたがエッチな嗜好はだんだん発展して、今ではSM雑誌にエロ専門のイラストとか小説を描くエロ絵師になってしまいました。栴檀ならぬ「変態は双葉よりいやらし」ですね(笑)ちなみに秘密のペンネームは室井亜砂二です。
Commented at 2016-01-03 06:22 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2016-01-03 06:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kaoruSZ at 2016-01-04 09:36
大変驚き、また嬉しく拝見しました。この、当時学生だった人がその後書いたものがあれば読んでみたい、でも若年でこういう鋭いものを書く人はその後筆を折ってしまわれたか、もしかして夭折されたかも?と思いましたがご健在でしかもご活躍何よりです。お尻は異性愛以前の男女未分化な部位で根源的なマゾヒズムの場なんでSM絵師とは実は意外ではないのか、アトム論もそういう感受性の方がお書きになったからあのように本質的なところを突いていたのかと納得しております。それにしても私がこれ書いてもう十年とは。少年老い易し。普段twitterでつまらぬ事象にかかずり合うことも多いのですが、どういう方に読まれているかも分らぬと肝に銘じて精進することに致します。