おわぁ、寝てるだけです 本館探さないでくなさい/ブログ主 鈴木薫の他に間借人の文章「tatarskiyの部屋」シリーズも掲載しています

by kaoruSZ

明智探偵の夢

「ヒーローはおじさんだった」の記事、たんにヒーローの年齢の高さが問題なのではなく、「少年探偵団」との関係について書こうとしていたはずが、すっかり抜け落ちていた。以下にあらためて。

 そう、ベイカー・ストリート・イレギュラーズと書きながら、江戸川乱歩の少年探偵団を落してしまった。まねっこ乱歩のオリジナリティは明智探偵×小林少年にある。リンゴのほっぺの健全な美少年は戦前の少年倶楽部から、思えば、私が幼稚園のとき二年間うちで取っていた「小学一年生」誌上の連載にまで登場していたのだが、子供が出てくるのは読者の同一化の対象を作ることであると同時に、作者から見れば性的対象としての少年の造形のためだろう。少年探偵団とは明智小五郎の夢だったのだ。明智×少年、あるいは、明智のもう一つ(一つ?!)の顔としての怪人二十面相×少年。ここまでは成年男子(おじさん)としての乱歩の対象愛だが、「父は昔 たれの少年」(塚本邦雄)なのだから、乱歩だってもともとは少年、少年への同一化だってするのだ。

 だからこれは年長者であると同時に少年である「おじさん」のホモエロティックでナルシスティックな夢と言える。そして、女性に分類される主体でこの図式に感応する者にとって〈受け〉とはなぜ「少年」であって「少女」ではないのかと問えばこれはやおいの話になる。
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by kaoruSZ | 2008-02-22 10:51 | やおい論を求めて | Comments(0)