おわぁ、寝てるだけです 本館探さないでくなさい/ブログ主 鈴木薫の他に間借人の文章「tatarskiyの部屋」シリーズも掲載しています

by kaoruSZ

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黒猫カレンダー御紹介

b0028100_20245340.jpgウェブ・マガジン「コーラ」を主催する黒猫さん(ニンゲンです)の黒猫房が企画製作した、黒猫だらけのカレンダーをご紹介します。

今年12月から来年12月、都合13枚の黒猫写真の卓上カレンダー。

             
ここ
から購入できます。


なお、写真は一般からの応募によるもので、来年分も募集していますよ。


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ついでに。「コーラ」他へ寄稿した拙文へは以下からどうそ。

http://kaorusz.exblog.jp/i16/
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by kaoruSZ | 2007-09-30 21:01 | 日々 | Comments(1)

溝口特集メモ

・『浪華悲歌』と『祇園の姉妹』
映画は30年代で完成されてしまっていたのだとあらためて思う。
・『祇園囃子』と『赤線地帯』
その完成度をそのまま維持してさらに輝く二十年後の溝口。
だが、このあいだに『雨月物語』とか『西鶴一代女』とかあまりぴんと来なかった作品があるわけで、そういうのを先に見てしまったために長いこと溝口の良さがわからなかったようだ。
『赤線地帯』は、火事になる前のフィルムセンターで見たことがあったはずだが、見事に何も覚えていなかった。ラストの、新米娼婦が客を引く場面さえ記憶とは違っていた。ただ一つ、京マチ子が実の父親に向かって「極道の仕上げをするか」という科白にだけ、記憶にかすかに引っかかるものがあった。

『浪華悲歌』、山田五十鈴を囲おうとする社長が「いいアパートがあるんだ」と誘って、実現してしまうその「アパート」の立派さに驚く。
『祇園の姉妹』、最後の山田五十鈴の科白(なんで芸妓なんてものあるんや、のうなってしまえばいい云々)がプロパガンダ的だといわれるらしいが……時を隔ててみれば、それは単にリアルとしか、単に実感を述べているようにしか聞こえない。
『赤線地帯』で三益愛子の演じる、田舎の舅、姑に息子を育ててもらっている年増の娼婦(このような母もやっていたのだ!)が帰郷すると、そこは草ぼうぼうの中にバスの停留所の標識が一本立っているだけの田舎で、バスの時間に間があるのでそばの店に入るとそこではおかみさんが赤ん坊を寝かしていて、三益は上がり込んでうどんを注文する。死んだ夫の家では姑が暗い土間に座り込んでおり、奥で舅が寝ている(彼らの生活は三益の仕送りで支えられている)。息子が上京したことを聞かされ、彼から来たという葉書を探しに奥へ入って引き出しを探ると、傍で寝たきりの爺様がうめき声を上げる。すべてがこれ以外ではありえなかったと思わせるリアリズムがすごい。

『新・平家物語』大川橋蔵の眉毛と木暮実千代の胸もと。大量エキストラ。冒頭の大群衆の絵巻物が動き出したような何とも言えないキャメラの動き(あとで知ったのだが、ゴダールやトリュフォーが本当にワンショットなのかと映写室へ飛び込んでフィルムを調べたというのがこれだった)。
『楊貴妃』最初の方、眠ってしまった(たんに眠くて)。森雅之が玄宗を、京マチ子が楊貴妃をやっているという印象しか残らず。あとで安禄山が山村聡だったと知って驚くが、『武蔵野夫人』の山村聡のいつもと違う雰囲気を見て、安録山もそんな感じでやっていたのだと納得。
『武蔵野夫人』、勉がミスキャスト。道子(田中絹代)もだろう。中庭があって開口部が多く完全に仕切られていない日本家屋の中でのキャメラの動き(『噂の女』も)。野川の流れに漬かった草が髪のようにうねるショット、ジャン・ルノワールのよう。もっともルノワールなら、それを写しているあいだに情事が進行するのだが。

 道子の科白、『鋼鉄三国志』の最終回マイナス一回あたりの科白なみにわけがわからず。
『噂の女』、去年フィルムセンターで見たとき一瞬眠って見そこなった、最初のあたりはきちんと見るが、そのあと疲れが出て眠り、あのとき記述した、田中絹代が若い愛人に買ってやろうとする医院を見に行くあたり再見できず。『武蔵野夫人』から一転していきいきとした田中絹代。

 男(たち)の被害者となった者同士の連帯が、この母娘(田中と久我美子)にも見られること。彼女らが生計を頼っている郭の女たちにまでそれが及ぼされることは難しいが(ラストで娼妓の一人が、『祇園の姉妹』のラストに似た科白をいう)。『祇園囃子』で、最後に木暮実千代が若尾文子に、これからは自分が若尾の「旦那」になると言うところも、同様の意味で面白い。
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by kaoruSZ | 2007-09-28 21:33 | 日々 | Comments(0)

新文芸坐の溝口特集

 少しだけ見た。

8 日 (土)
 浪華悲歌〈なにわえれじい〉(1936)
 祇園の姉妹〈きょうだい〉(1936)
18 日 (火)
 祇園囃子(1953)
 赤線地帯(1956)
19 日(水)
 新・平家物語(1955)
 楊貴妃(1955)
20 日(木)
 武蔵野夫人(1951)
 噂の女(1954)

感想はあとで。
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by kaoruSZ | 2007-09-22 18:59 | 日々 | Comments(0)

通販の予定など

 来る11月11日(日)の三国志オンリー同人誌即売会「交地ニハ絶ツコトナカレ」@東京ビッグサイトに、友人のスペースの居候で参加します。

 鋼鉄本で現在できているのは「裏説 鋼鉄三国志」第一集のみですが、イベント当日は三集までそろえて提供する予定。それ以前に第二集ができたら、先に通信販売を開始しようと思っています。

 また、2000年から2004年に出した「三國志遺文 孔明華物語」シリーズ(全6冊、未完)を増刷して当日持って行くつもりです。
 それ以前に通信販売再開もするかもしれませんが、印刷、製本の時間が取れればの話なので、まだはっきりしたことは言えません。早く読みたいからさっさと作れというメール等頂くと、喜んで突然作業をはじめるということもありえます。通販利用をお考えの方、メール下されば準備でき次第ご案内を差し上げます(アドレスは「三國志遺文&鋼鉄三国志」タグ内の記事「2004年5月」に出ています)。

「子元 子上」でアクセスなさった方、うちの司馬兄弟は失望させることはないと思います。

「私説三国志 天の華・地の風 孔明 セックス」で検索された方にも、十分ご満足いただけると存じます。
(それにしても孔明華物語の記事に私が「セックス」という言葉を使うことはありえない――もっと露骨な語は使っても――と思って自分でグーグルしてみたところ、『セックスの発明』という以前書評を書いた本が同じ画面に[「ライフログ」として]出ていたと判明。)

「鋼鉄三国志 二次創作」でいらした方もあり。私は自分の作品を「二次創作」とは呼ばないのですが(広い意味ではすべての作品は二次創作であり、そして相対的には私の書くものは〈オリジナル〉ですから)、これも別記事が引っかかったと判明。結果としてはよかったですね。

 生まれてはじめて即売会でスペースを取り、「孔明華物語」を並べた時のこと、大変美しいお嬢さんが近づいてきて全冊買って下さいました。元の『私説三国志』をお読みになったのですねと申し上げたところ、「読んだばかりで飢えてるんです」というすてきなお答え。この方は三年ほどのちにまたいらして、その後出た分を買って下さいました。以前に買っていただきましたねと申し上げたところ、よく覚えていますねと驚かれました。(きれいな方だから覚えていますとは言いそびれました。)

 絶版になっていた『私説三国志 天の華 地の風』が文庫化され、新たな読者も生まれていることでしょう。ぜひ、「三國志遺文 孔明華物語」を併せてお読み下さい。
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by kaoruSZ | 2007-09-03 20:31 | ◆売り物「孔明華物語」他 | Comments(0)

異邦人、朝青龍

 ちょっと留守にしていたあいだに、ぺガンさん強制送還反対ブログが、期間限定から恒久っぽいのに変わっていた。火曜日(8月28日)に強制送還決定という危機はとりあえず去って、長期戦になった模様。英国内務省へのEメールと FAXによる抗議は一時中止で、オンライン署名とぺガーさんの件についての情報を広める活動は続けてほしいとのこと。詳しくは以下を。

http://pega-must-stay.cocolog-nifty.com/blog/

 オンライン署名は以下から。

http://www.petitiononline.com/pegah/petition-sign.html

 現在の署名数は9000に迫る。私が27日夜に署名を送ったときの倍以上になっている。

http://www.petitiononline.com/mod_perl/signed.cgi?pegah

   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 普段いる別宅にはTVがなくてニュースはウェブに限られるのだが、先週の金曜は一日実家にいて、昼前から午後遅くまでTVをつけっぱなしにしていた。高砂親方帰国の日で、朝青龍のことをガンガンやっている。空港での不機嫌な応対を最初は繰り返し流していたが、ワイドショーのコメンテーターどもは横綱審議会は引退勧告を出すだろうと規定事実のように言うんで、こっちは今さらながら驚かずにはいられない。しかも、本人が非を認めて謝罪、謹慎していれば惻隠の情というものがあるんだから、二場所の謹慎も一場所でいいよということになるものを態度が悪いからこうなったと言いつのる。

 やがて、うってかわって表情のやわらいだ高砂親方の記者会見。モンゴルの大自然の中で癒やされる気持になったという話が印象的。時間が経って、編集されたヴァージョンも流れる。意味をそこねられてはいないが、フルで見たときの違いはやはりある。別宅へ戻ってウェブニュースを見れば、「日本に戻ったら(謝罪の記者会見を)しなきゃいけないんですね」と朝青龍にたずねられた高砂親方は「そうだ。お前の口から、ちゃんと言わなきゃいけないんだぞ」と言ったというところだけ載っている。しかも、世間を騒がせたことへの謝罪である。オイオイ、 騒ぎ立てたのは誰だよ! そもそも朝青龍はなんで罰せられたのか。仮病を使って巡業をサボりモンゴルでサッカーに興じていた? それが事実と証明されているのか? もうしそうなら、医者は偽の診断書を書いたのか? 横綱審議会は何を根拠に判断し、マスコミは何が目的で印象操作をするのか。

 しきりに思い出されたのは、倉橋由美子が、大学に入って中村光夫の指導でそれまで『異邦人』として知っていた小説にはじめて原文で触れる体験を経て、日本でなら「私が悪うございました」で終るのだからムルソーはいない――日本人にとっては本当に「異邦人」だと知った(大意)と書いていたこと。

 なにしろ罪状が、事実認定を飛び越した「世間を騒がせたこと」なのだから。

 高砂親方の記者会見にだけはTVの効用を感じた。
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by kaoruSZ | 2007-09-02 07:44 | 日々 | Comments(0)