おわぁ、寝てるだけです 本館探さないでくなさい/ブログ主 鈴木薫の他に間借人の文章「tatarskiyの部屋」シリーズも掲載しています

by kaoruSZ

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三國志遺文——孔明華物語 拾遺            鈴木 薫

昨日敵[かたき]を追ひゆきし 野を味方なる蜀軍に 追はれ落ちゆく八尺の 身を置く土地も今はなし

【内容紹介】

b0028100_5404175.jpg牡丹(ぼうたん)/冴えざえとした射干玉[ぬばたま]の瞳、牡丹の散った花びらのようにあかい口唇[くちびる]。美しい軍師将軍の膚の熱さを知るのはわれのみと思いつつ、その手からすり抜ける彼の心に魏延は苦しむ。



b0028100_5522182.jpg山茶(つばき)/ 孔明への日ごとに深くなる思いに、食うか食われるかの政争も魏延にはもはやよそごとにすぎない。孔明に濃厚な性技を教え込みつつ、彼は恋をしている限りなく無防備な自分に気づく。

 
b0028100_817478.jpg菫(すみれ)/春あさい中庭で孔明と魏延の真の関係を悟った姜維は、湧き起こる嫉妬の情をいぶかしむ。孔明の娘 朝薫との逢瀬を重ねながら、自らの思いの真実に彼はいつ気づくのか。                                   

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藤(ふぢ)/ 断崖[きりぎし]を薄紫に覆うて藤の巨木が花をつけているという山中へ、魏延は一日孔明を連れ出す。たとえ花が見られなくとも、互いの心を改めて知った二人に、愛は風に乗って漂い来る藤の香よりも甘い。

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睡蓮(すいれん)/ついに孔明と抜き差しならぬ関係に陥った姜維。中庭の池を波立て、睡蓮の葉を騒立てて過ぎる通り雨に似てはげしくも儚い交歓ののち、睡蓮はねむり、孔明も眠るが姜維は眠れない。

b0028100_538267.jpg晝顏(ひるがほ)/五丈原に星隕つる大団円を知る由もない魏延は、成都を包囲し皇帝となれと孔明を唆す。一方、皇帝と謀った姜維は孔明を陥れる手筈を調えた。勅使が携えるどす黒い毒液は彼の恨みの凝[こご]ったものだ。
 
b0028100_5392920.jpg忍冬(すひかづら)/兄も弟も司馬家のために、妻を娶るべき季[とき]が来た。兄の留守に訪れた忍冬の花咲き乱れる館で、子上は満たされぬ身体を甘たるい香に包まれた兄の牀に投げ出す。子元はいづこに誰と眠る。

b0028100_19584810.jpg風信子(ヒヤシンス)/魏の実権を握った司馬兄弟。だが子元は急死し、子上は梨郎を相手に兄を偲ぶ。語りえなかった真実が、のちの世の、いまだ時の胎内にある文字によって書かれるとき、小鳥の墓に咲くヒヤシンスのように物語は花ひらき、失われた死者はひとときその白い横顔をのぞかせるのだろうか。

b0028100_0294569.jpg山桜(やまざくら)/男は愛する者を殺す 人は恋ゆゑ死にもする 姜維将軍仕へしは 令名かをる諸葛亮 たぐひ稀なるかがやける人——死後も断ち難い孔明への思い。絢爛たる引用の織物でつづる姜維版《定家葛[ていかかづら]》。
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# by kaoruSZ | 2004-09-17 17:31 | ◆売り物「孔明華物語」他 | Comments(0)

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三國志遺文——孔明華物語               鈴木 薫                           
 正史稗史も語らぬを 後の世の 形見にのこす華物語
【内容紹介】
b0028100_450758.jpg木槿(むくげ)/湖の見える山城での久しぶりの逢瀬。しかし、亡き周瑜への思いを隠そうともしない孔明に魏延は嫉妬。孔明に〈心〉をとらえられてしまい、首すじに芙蓉の花を咲かせる。

b0028100_23364918.jpg合歓(ねむ)/ 劉備と決裂し、魏延のもとに馳せ来って孤独を埋めようとする孔明。たとえ裏切られてもおまえにであればかまわぬと孔明に言われ、孔明に謀られようとも本望と思う魏延。
 
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百合(ゆり)/南蛮から贈られた特大筍の毛深さにも魏延を偲び、同じく献上の竹夫人[ちくふじん]を魏延と思いなして眠る孔明。夢の中で魏延の死に遭い、墓の傍で百年後の再会に望みを託すが……。

b0028100_4535739.jpg槐(ゑんじゅ)/過ぎ去ることのない永遠の夏である孔明。絶頂時に名前を間違いなく呼ばれて嬉しい魏延。白いエンジュの雨の下で。

b0028100_209039.jpg薔薇(さうび)/ 梨郎に手伝わせてのSMプレイの直後、孔明から別れをほのめかす文が届いて魏延は苦しむ。それを見かねた朱蘭は……。

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罌粟(けし)/孔明と魏延の死という終幕[カーテン・フォール]ののち、司馬仲達の息子、子元の側仕えとして生きる梨郎。子元の弟であり恋人である子上との三角関係は……。


紫陽花(あぢさゐ)/孔明死して二十年、五十歳の姜維に、愛し、殺した孔明の記憶は今なおなまなましい。「私は後悔などしていない。今でも貴方が恋しい。b0028100_4555643.jpgもしそれで貴方に再び会えるなら、漢帝国など百度[たび]滅ぼしてもかまいません。地獄で裁かれるときが来ても、貴方を愛しただけだと言うでしょう」
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# by kaoruSZ | 2004-09-17 17:28 | ◆売り物「孔明華物語」他 | Comments(0)

sOLde

b0028100_1822420.jpg売り出しだ、肉体に声、途方もなく莫大な富、けっして売られることのないはずのもの。売り子たちは品切れにならないから、旅商人のみなさんは、はやばやと役目を返上しなくともよい。

      アルチュール・ランボー『イリュミナシヨン』
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# by kaoruSZ | 2004-09-17 17:27 | ◆売り物「孔明華物語」他 | Comments(0)