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おわぁ、寝てるだけです 本館探さないでくなさい/ブログ主 鈴木薫の他に間借人の文章「tatarskiyの部屋」シリーズも掲載しています

by kaoruSZ

日比谷公園のダイサギ

 某省に期限の書類提出し、雨のほぼ上がった日比谷公園を抜けて戻る。前回、やはり締切日に持参して同じ道を帰ったのは十一月だったか、五時にはすでに真暗だったもの。木蔭一面に群れなす胡蝶花[シャガ]、母の好きだった花で、昔庭にあった小さな池のほとりに幾つか咲いただけで喜んでいたものだが、こういうところではいくらでも殖える。いや、うちでも、今でもシュートを伸ばして殖えすぎる。土曜日に月島で、贋路地のあるライオンズ・マンションの花壇に植えられたのが咲いているのを見て、昨日の朝出てくるときにうちのにも蕾がついたのを知ったところ。うちでは雪柳がまず咲き、林芙美子記念館で薄色の菫が咲いているのを見たあとで、薔薇の下の濃菫が咲き出しているのに気づき(アスファルトの割れ目から出た株の一輪も。そこにも暑い時期、ずっと水をやっていた)、昨日の朝、白菫も咲き出した(開花にいつもずれがある)のに気づく。オキザリスも黄色い蕾を持ち上げているが、昼間いないので咲いたところを見ていない(日があたっていないと昼間でも閉じる)。この冬は氷点下の夜があって、多肉植物に被害、地面におろしたアロエ一株完全に枯死し、君子蘭もだめかもしれないのがあり、生き残ったのも葉先から黄色く枯れる。(佃島で同じようになった株を見かけた。)うちで一番に咲いたのは春蘭だが、今年は二輪のみ。アマドコロ、土を押し上げてにょきにょき出てきており、紫陽花の下のフリージアにもつぼみつく。

 亀の池でシラサギが漁をしていた。首をまっすぐピーンと伸ばしていて、首の長さに比して胴が小さく、嘴が黄色い(サギのくちばしって黄色かった?)。頭に羽の飾りがない。首をちぢめる(S字形になる)とようやく普通の感じに(首が伸びていると、ハートの女王が握るクリケットのスティックみたいだ)。抜き足差し足進んで、S字形首を一気に水に突っ込む。失敗。しばらく見物することにする。二度目。嘴の間からはみごと銀色の鱗の小魚がはみ出ていた。ピチピチと逃げようとするのをおもむろに呑み込む。ここで見るとどうもダイサギのよう。「首が不釣り合いに長い」というのと、「冬は嘴全体が黄色い」というのが合うから。やっぱり、黄色くちばしはイレギュラーだったのだ(最初、バランスの悪い白鳥のように見えた)。冠をつけた見なれた優雅な姿はコサギで、その飾りも冬はなくなるという。今回見たのは、このページの写真のようにきれいな羽根でふっくら覆われてはいなかった(栄養が悪くて痩せ気味なのか、それともそういう時期?)。それに、首をぴーんとさせているときはこういう印象とは違う。クリケットのスティック(という呼び方でいいのかな)にしてやれ、とキャロルが思っても不思議はない(アリスのあれはフラミンゴか……)。

 三信ビル、残った店は営業中。三信書房で『回想 回転扉の三島由紀夫』(堂本正樹)が本(文春新書)になっているのをを知り、求める。かつてこの人の『男色演劇史』は愛読したもの。ウェブでちょっと見て、三島と堂本の“兄弟ごっこ”を(あれだけ明示してあるのに)性関係と読めない人がいるのにちょっとあきれる(堂本の文章を読んでこの二人には関係があったのではないかと思った、と書いているのだ)。
by kaoruSZ | 2006-04-11 05:02 | 日々 | Comments(3)
Commented at 2006-04-12 05:30
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kaoruSZ at 2006-04-12 16:28
いらっしゃいませ。この池は、日比谷交差点側の入口(交番の横)を入って左の、お堀の跡を利用した「心字池」です。亀の池という名前もどこかで見たんだったと思います。真中の島(小さな噴水が出ている)に作り物の亀がいますよね。本物も一緒に甲羅干しをしたりしてます(鶴の池でも、大きなのが泳いでいましたが)。鶴の池は池畔に藤棚があって、もうしばらくするときれいでしょう。亀の池の方はより手が入ってない感じで、夏になると水際に草(葦?)が茂り、好きなスポットの一つです。
Commented at 2006-04-14 05:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。